こども基本(きほん)法(ほう)プロジェクト

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こども基本(きほん)(ほう)についてAbout

※「こども基本(きほん)(ほう)」は令和(れいわ)4(ねん)6(がつ)15(にち)国会(こっかい)可決(かけつ)成立(せいりつ)し、令和(れいわ)5(ねん)4(がつ)1(にち)施行(しこう)されました。


こども家庭(かてい)(ちょう) 『こども基本(きほん)(ほう)


少子化(しょうしか)(すす)()どもの総数(そうすう)減少(げんしょう)している日本(にほん)ですが、児童(じどう)虐待(ぎゃくたい)通報(つうほう)急増(きゅうぞう)し、いじめ、自殺(じさつ)()登校(とうこう)深刻(しんこく)()など、()どもが()きづらい()(なか)になっています。にもかかわらず、日本(にほん)には()どもに(かか)わるあらゆる場面(ばめん)で、()どもの権利(けんり)(まも)られるべきと(さだ)める基本(きほん)法律(ほうりつ)がありません。日本(にほん)()どもの権利(けんり)(まも)られているとは()いがたい現状(げんじょう)なのです。

()どもの権利(けんり)条約(じょうやく)とは(なに)

()どもの権利(けんり)とは?

こども基本(きほん)(ほう)という国内(こくない)(ほう)制定(せいてい)をめざす(はなし)(まえ)に、国際(こくさい)条約(じょうやく)である「()どもの権利(けんり)条約(じょうやく)」についておさらいいたします。「児童(じどう)権利(けんり)(かん)する条約(じょうやく)(()どもの権利(けんり)条約(じょうやく))」は、()どもの基本的人権(きほんてきじんけん)国際(こくさい)(てき)保障(ほしょう)するために(さだ)められました。18(さい)未満(みまん)()どもを「権利(けんり)をもつ主体(しゅたい)」と位置(いち)づけ、大人(おとな)(おな)一人(ひとり)人間(にんげん)としての人権(じんけん)(みと)める、成長(せいちょう)過程(かてい)特別(とくべつ)保護(ほご)配慮(はいりょ)必要(ひつよう)権利(けんり)(さだ)めています。

()どもの権利(けんり)条約(じょうやく)()どもの権利(けんり)(おお)きく()けて4つあります

  • ()きる権利(けんり)すべての()どもの(いのち)(まも)られること
  • (そだ)権利(けんり)もって()まれた能力(のうりょく)十分(じゅうぶん)()ばして成長(せいちょう)できるよう、医療(いりょう)教育(きょういく)生活(せいかつ)への支援(しえん)などを()け、友達(ともだち)(あそ)んだりすること
  • (まも)られる権利(けんり)暴力(ぼうりょく)搾取(さくしゅ)有害(ゆうがい)労働(ろうどう)などから(まも)られること
  • 参加(さんか)する権利(けんり)自由(じゆう)意見(いけん)(あらわ)したり、団体(だんたい)(つく)ったりできること

公益財団法人(こうえきざいだんほうじん)日本(にほん)ユニセフ協会(きょうかい)()どもの権利(けんり)条約(じょうやく)より

()どもの権利(けんり)条約(じょうやく)一般(いっぱん)原則(げんそく)

  • 生命(せいめい)生存(せいぞん)(およ)発達(はったつ)(たい)する権利(けんり)(いのち)(まも)られ成長(せいちょう)できること) すべての()どもの(いのち)(まも)られ、もって()まれた能力(のうりょく)十分(じゅうぶん)()ばして成長(せいちょう)できるよう、医療(いりょう)教育(きょういく)生活(せいかつ)への支援(しえん)などを()けることが保障(ほしょう)されます。
  • ()どもの最善(さいぜん)利益(りえき)()どもにとって(もっと)もよいこと) ()どもに(かん)することが(おこな)われる(とき)は、「その()どもにとって(もっと)もよいこと」を第一(だいいち)(かんが)えます。
  • ()どもの意見(いけん)尊重(そんちょう)意見(いけん)表明(ひょうめい)参加(さんか)できること) ()どもは自分(じぶん)関係(かんけい)のある事柄(ことがら)について自由(じゆう)意見(いけん)(あらわ)すことができ、おとなはその意見(いけん)()どもの発達(はったつ)(おう)じて十分(じゅうぶん)考慮(こうりょ)します。
  • 差別(さべつ)禁止(きんし)差別(さべつ)のないこと) すべての()どもは、()ども自身(じしん)(おや)人種(じんしゅ)性別(せいべつ)意見(いけん)(しょう)がい、経済(けいざい)状況(じょうきょう)などどんな理由(りゆう)でも差別(さべつ)されず、条約(じょうやく)(さだ)めるすべての権利(けんり)保障(ほしょう)されます。

()どもの権利(けんり)条約(じょうやく)()られていない

()どもの権利(けんり)条約(じょうやく)は、1989(ねん)(だい)44(かい)国連(こくれん)総会(そうかい)において採択(さいたく)され、1990(ねん)発効(はっこう)日本(にほん)は1994(ねん)批准(ひじゅん)しました。しかし、日本(にほん)国内(こくない)(どう)条約(じょうやく)を「内容(ないよう)までよく()っている」と(こた)えたのは、()ども8.9%、大人(おとな)2.2%に()ぎず、「()いたことがない」という回答(かいとう)は、()ども31.5%、大人(おとな)42.9%でした。保育(ほいく)教育(きょういく)専門(せんもん)(しょく)ですら、()どもの権利(けんり)認識(にんしき)していないという現状(げんじょう)があります。

日本(にほん)における()どもの権利(けんり)条約(じょうやく)認知(にんち)()(PDF)

なぜ「こども基本(きほん)(ほう)」が必要(ひつよう)なのか

()どもの課題(かだい)相互(そうご)関連(かんれん)している

日本(にほん)が1994(ねん)()どもの権利(けんり)条約(じょうやく)批准(ひじゅん)した(さい)日本(にほん)政府(せいふ)現行(げんこう)(ほう)()どもの権利(けんり)(まも)られているとの立場(たちば)()り、国内(こくない)(ほう)整備(せいび)(おこな)われませんでした。そのため、日本(にほん)には「児童福祉法(じどうふくしほう)」「母子(ぼし)保健(ほけん)(ほう)」「教育基本法(きょういくきほんほう)」「少年(しょうねん)(ほう)」「児童虐待防止法(じどうぎゃくたいぼうしほう)」「()どもの貧困(ひんこん)対策(たいさく)推進(すいしん)(ほう)」「成育(せいいく)基本(きほん)(ほう)」など()どもに(かか)わる様々(さまざま)個別(こべつ)法律(ほうりつ)はありますが、()どもを権利(けんり)主体(しゅたい)として位置(いち)づけ、その権利(けんり)保障(ほしょう)する総合(そうごう)(てき)法律(ほうりつ)存在(そんざい)しません。2016(ねん)児童福祉法(じどうふくしほう)改正(かいせい)で、その理念(りねん)に「児童(じどう)権利(けんり)(かん)する条約(じょうやく)精神(せいしん)にのっとり」と()かれ、「児童(じどう)年齢(ねんれい)(およ)発達(はったつ)程度(ていど)(おう)じて、その意見(いけん)尊重(そんちょう)され、その最善(さいぜん)利益(りえき)優先(ゆうせん)して考慮(こうりょ)される」と明記(めいき)されたことは画期的(かっきてき)であり、()にも「()どもの貧困(ひんこん)対策(たいさく)推進(すいしん)(ほう)」や「成育(せいいく)基本(きほん)(ほう)」などの一部(いちぶ)法律(ほうりつ)で、()どもの権利(けんり)条約(じょうやく)について()れています。しかし、児童福祉法(じどうふくしほう)福祉(ふくし)分野(ぶんや)法律(ほうりつ)であり、教育(きょういく)司法(しほう)分野(ぶんや)(およ)ぶものではありません。()どもの権利(けんり)侵害(しんがい)(かん)する裁判(さいばん)においても()どもの権利(けんり)条約(じょうやく)基盤(きばん)とした判例(はんれい)はなく、国内(こくない)(ほう)(さだ)められていない影響(えいきょう)(おお)きいといえます。

()どもをめぐる問題(もんだい)抜本的(ばっぽんてき)解決(かいけつ)し、養育(よういく)教育(きょういく)保健(ほけん)医療(いりょう)福祉(ふくし)(とう)()どもの権利(けんり)施策(しさく)幅広(はばひろ)く、整合(せいごう)(せい)をもって実施(じっし)するには、()どもの権利(けんり)(かん)する(くに)基本(きほん)方針(ほうしん)理念(りねん)(およ)()どもの権利(けんり)保障(ほしょう)のための原理(げんり)原則(げんそく)(さだ)められる必要(ひつよう)があります。そのためには、憲法(けんぽう)(およ)国際(こくさい)(ほう)(じょう)(みと)められる()どもの権利(けんり)を、包括的(ほうかつてき)保障(ほしょう)する「基本(きほん)(ほう)」という(ほう)形式(けいしき)必要(ひつよう)なのです。

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地方自治体(ちほうじちたい)(まか)せによる地域(ちいき)(かん)格差(かくさ)

先進(せんしん)(てき)地方自治体(ちほうじちたい)では、兵庫(ひょうご)(けん)川西(かわにし)()川崎(かわさき)()など、()どもの権利(けんり)(かん)する総合(そうごう)条例(じょうれい)独自(どくじ)(さだ)めていたり、さらにそこから地方自治法(ちほうじちほう)(もち)いて()どもの権利(けんり)擁護(ようご)機関(きかん)設置(せっち)する(うご)きもあります。ただしそうした自治体(じちたい)は、(やく)1,700あるうち40程度(ていど)(とど)まります。先進(せんしん)(てき)自治体(じちたい)をロールモデルとして推進(すいしん)する必要(ひつよう)はありますが、すべての()どもに普遍(ふへん)(てき)権利(けんり)であるにもかかわらず、()地域(ちいき)によって格差(かくさ)(しょう)じている問題(もんだい)があります。()どもの権利(けんり)について、(くに)レベルでの(ほう)整備(せいび)急務(きゅうむ)です。

()ども」だけ権利(けんり)(まも)基本(きほん)(ほう)がない!?

基本(きほん)(ほう)とは「国政(こくせい)重要(じゅうよう)なウエイトを()める分野(ぶんや)についての(くに)制度(せいど)政策(せいさく)対策(たいさく)(かん)する基本(きほん)方針(ほうしん)原則(げんそく)準則(じゅんそく)大綱(たいこう)明示(めいじ)するもの」です。(たと)えば、日本(にほん)では障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)には「障害者(しょうがいしゃ)基本(きほん)(ほう)」、女性(じょせい)権利(けんり)には「男女共同参画社会基本法(だんじょきょうどうさんかくしゃかいきほんほう)」があります。これらの基本(きほん)(ほう)では、障害者(しょうがいしゃ)男女(だんじょ)人権(じんけん)尊重(そんちょう)(くに)地方公共団体(ちほうこうきょうだんたい)責務(せきむ)基本(きほん)計画(けいかく)作成(さくせい)法制(ほうせい)(じょう)財政(ざいせい)(じょう)措置(そち)年次(ねんじ)報告(ほうこく)国会(こっかい)への提出(ていしゅつ)(とう)(さだ)められています。しかし()どもについては、()どもの包括(ほうかつ)(てき)権利(けんり)(くに)基本(きほん)方針(ほうしん)(さだ)めた基本(きほん)(ほう)存在(そんざい)しておらず、()ども政策(せいさく)後回(あとまわ)しにされる一因(いちいん)となっています。()どもを社会(しゃかい)中心(ちゅうしん)()え、(つね)()どもの最善(さいぜん)利益(りえき)優先(ゆうせん)して(かんが)える社会(しゃかい)にしていくために、(いち)(にち)(はや)()ども基本(きほん)(ほう)制定(せいてい)(もと)められています。

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障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)男女(だんじょ)権利(けんり)()どもの権利(けんり)(PDF)

()どもの権利(けんり)については基本(きほん)(ほう)存在(そんざい)していない

「こども基本(きほん)(ほう)」の試案(しあん)

()どもの権利(けんり)条約(じょうやく)遵守(じゅんしゅ)します

こども基本(きほん)(ほう)(はしら)()試案(しあん)(1):理念(りねん)責務(せきむ)
こども基本(きほん)(ほう)では、「こども」を(かん)する基本(きほん)(ほう)として、名実(めいじつ)ともに()どもが中心(ちゅうしん)()えられた法律(ほうりつ)としています。そこでは、()どもはその発達(はったつ)(じょう)状態(じょうたい)ゆえに(とく)人権(じんけん)侵害(しんがい)()けやすい特性(とくせい)考慮(こうりょ)し、個々(ここ)()どもの年齢(ねんれい)発達(はったつ)状況(じょうきょう)十分(じゅうぶん)()まえつつ、()どもを権利(けんり)主体(しゅたい)として(とら)え、()どもの権利(けんり)条約(じょうやく)一般(いっぱん)原則(げんそく)をはじめとした()どもの(しょ)権利(けんり)社会(しゃかい)全体(ぜんたい)遵守(じゅんしゅ)する必要性(ひつようせい)明記(めいき)します。

基本(きほん)(ほう)(はしら)()試案(しあん)(2):基本(きほん)(てき)施策(しさく)
(くに)()どもの権利(けんり)推進(すいしん)()けた年間(ねんかん)計画(けいかく)策定(さくてい)します。また、()どもの権利(けんり)中心(ちゅうしん)として省庁(しょうちょう)横断(おうだん)(てき)整理(せいり)調整(ちょうせい)するため、(くに)に「()ども総合(そうごう)政策(せいさく)本部(ほんぶ)仮称(かしょう))」を設置(せっち)し、前述(ぜんじゅつ)年間(ねんかん)計画(けいかく)行政(ぎょうせい)(ない)から総合的(そうごうてき)調整(ちょうせい)(かく)省庁(しょうちょう)部局(ぶきょく)政策(せいさく)改善(かいぜん)促進(そくしん)牽引(けんいん)します。また、正確(せいかく)現状(げんじょう)把握(はあく)予防(よぼう)(てき)政策(せいさく)による積極的(せっきょくてき)権利(けんり)保障(ほしょう)実現(じつげん)のため、省庁(しょうちょう)横断(おうだん)データベース(とう)調査(ちょうさ)研究(けんきゅう)基盤(きばん)整備(せいび)します。

基本(きほん)(ほう)(はしら)()試案(しあん)(3):「(仮称(かしょう)()どもコミッショナー」の設置(せっち)
現在(げんざい)日本(にほん)一部(いちぶ)自治体(じちたい)()どもオンブズパーソンや()どもの権利(けんり)委員会(いいんかい)など、()どものSOSを()()めて解決(かいけつ)をはかる()()みが実施(じっし)されています。しかし()どもの権利(けんり)保障(ほしょう)特化(とっか)した(くに)レベルの独立(どくりつ)した()どもの権利(けんり)擁護(ようご)機関(きかん)((仮称(かしょう)()どもコミッショナー)は存在(そんざい)しません。()どもは(みずか)らがその権利(けんり)侵害(しんがい)(うった)えることが(むずか)しく、(よわ)立場(たちば)にあるため、()ども基本(きほん)(ほう)によって、()どもの権利(けんり)(まも)ることに特化(とっか)した「(仮称(かしょう)()どもコミッショナー」を設置(せっち)します。()どもコミッショナーに重要(じゅうよう)なのは組織(そしき)運営(うんえい)(およ)活動(かつどう)における独立(どくりつ)(せい)であるため、政府(せいふ)外局(がいきょく)として()かれる合議制(ごうぎせい)行政委員会(ぎょうせいいいんかい)としての設置(せっち)目指(めざ)します。

()ども基本(きほん)(ほう)条項(じょうこう)(あん)(PDF)

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()どもの権利(けんり)保障(ほしょう)する法律(ほうりつ)仮称(かしょう)()ども基本(きほん)(ほう))および制度(せいど)(かん)する研究(けんきゅう)(かい)提言(ていげん)(しょ)

提言(ていげん)(しょ)はこちら(PDF)

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